健康長寿の沖縄伝統食と文化に学ぶ~第21回日本機能性食品医用学会総会・特別シンポジウムで荒川雅志教授が講演

~健康長寿の沖縄伝統食と文化に学ぶ~第21回日本機能性食品医用学会総会が琉球大学で開催され、当ウェルネス研究分野の荒川雅志教授が特別シンポジウムで講演しました(講演タイトル「アフターコロナの今,ブルーゾーンに学ぶこと~先人の知恵,文化の継承,“ つながり”」)。全国大会が沖縄で開催されることに合わせたトピックとして今最も注目されている「ブルーゾーンとは?」の解説とともに、アフターコロナではウェルネス、ウェルビーイングの時代が到来し、そこにブルーゾーン世界5大長寿地域沖縄からは健康長寿の知恵のみならず、新しい生き方・働き方へのヒントがある、1世紀を生きる人々(センティナリアン)の生きがいのヒントとして「つながり」(TSUNAGARI)があることを紹介しました。

 さらに、持続可能の発展形として登場する「再生」をキーワードに、持続可能な人の再生(健康、ウェルネス)、自然の再生、地域の再生という3つの再生軸による観光立県沖縄のその先、ブル―ゾーンつながりの島、再生の島、祈りの島、命の島という本来価値、本質価値を提供、発信していき、ブル―ゾーンにまつわるウェルネス、ウェルビーイング次世代ライフスタイル産業市場形成への期待を提案しました。

 同特別シンポジウムでは、当ウェルネス研究分野荒川教授が審査員の一人を務める沖縄の自然、文化から生まれた沖縄健康食品の競争力を向上させる「3拍子戦略;安全安心価値・機能的価値・情緒的価値」を基準としたWELLNESS OKINAWA JAPAN (ウェルネス沖縄ジャパン)認証制度の発表もありました。
 会場フロアでは機能性食品等展示ブースが並ぶなか、ブル―ゾーン沖縄の注目素材である沖縄伝統野菜28種類に選定されている「クヮンソウ」(ユリ科ワスレグサ属。和名はアキノワスレグサ(トキワカンゾウ))の紹介ブースもありました。その食歴は古く、琉球王国時代に国賓である冊封使の歓待料理(琉球冠船記録1866年)や琉球王府御典医の食療法指導書「御前本草」(1832年)にも記載されています。方言ではニーブイ(眠い)草とも呼ばれ、沖縄料理の食材やお茶として古くより親しまれてきた伝統食材です。近年、その睡眠改善効果が着目され、天然由来の快眠素材として大いなる可能性を秘めているブル―ゾーン(長寿の知恵)のアイテムともいえます。