世界5大長寿地域“ブルーゾーン”沖縄に学ぶ健康と長寿の知恵、ポストコロナを生き抜く力~ウェルビーイングを手に入れるつながりの島、再生の島沖縄へ~

世界5大長寿地域“ブルーゾーン”沖縄に学ぶ健康と長寿の知恵、ポストコロナを生き抜く力~ウェルビーイングを手に入れるウェルネスの島沖縄、リジェネレーションの島沖縄へ~

琉球大学国際地域創造学部
ウェルネス研究分野
ブルーゾーン沖縄研究センター
教授 医学博士 荒川雅志

“Learning the Wisdom of Health and Longevity from Okinawa, one of the World’s Five ‘Blue Zones’: The Strength to Survive Post-Coronavirus – Embracing Well-being in Okinawa, the Island of Wellness and Regeneration.”

≪Author Profile≫

Masashi Arakawa
Professor of Wellness Studies, Faculty of International and Regional study, University of the Ryukyus. Ph.D. of Medicine.

Born in Fukushima Prefecture in 1972. He completed his studies at the Graduate School of Medicine at Fukuoka University, specializing in social medicine and epidemiology. His research centered on the lifestyles of centenarians in Okinawa, one of the world’s five “Blue Zones” known for longevity, and on Okinawa’s beauty and health ingredients. With a doctorate in medicine, he is a leading expert on wellness research and wellness tourism originating from Japan, and he is also a scholar in thalassotherapy.

He translated and supervised the U.S. business bestseller, “THE BLUE ZONE, 2ND EDITION: Learning Health and Longevity from the World’s Centenarians The Nine Rules.”

要約
Summary

長寿の秘訣は、遺伝よりも生活習慣や社会環境による後天的要因が大きく影響しており、特に生きがい、社会とのつながり、豊かな社会関係資本が重要であることが研究報告されている。現代医科学の進歩が寿命延伸に貢献している一方で、質の高い生活、つまりウェルビーイングを実現するには、人間関係や社会との結びつきが不可欠である。ブルーゾーンとして認定された世界有数の長寿地域である沖縄は、その長寿要因に共同体意識、家族や友人、地域社会との深い結びつきがある。これらの関係性がストレスの軽減、精神的な安定、生きがいを感じることに寄与し、幸福度も高めている。近年沖縄は平均寿命では低迷しているが、ただ長生きではない、生きがいを持って元気に暮らす長寿者たち、スローな暮らしは健在である。

アフターコロナの世界では、このような社会とのつながりや生きがいの追求がさらに重要性を増しており、沖縄が先人たちから受け継いできたウェルビーイングな生き方は、世界に向けて発信すべき貴重な資源として注目される。ベストセラーとしても知られるブルーゾーンを深く考察する結果、「つながり」と「再生」が生きがいを生み出すという仮説を立て、ただ長生きではない、沖縄から学ぶ新しい時代のライフスタイル、より良い生き方へのヒントを提供できることをここに提案する。

キーワード; ブルーゾーン、沖縄、長寿、ウェルネス、ウェルビーイング、アフターコロナ、生きがい、つながり、再生、リジェネラティブ、リジェネレーション、サードプレイス、レジリエンス、ソフトパワー

Keywords; Blue Zones, Okinawa, longevity, wellness, wellbeing, after corona, purpose in life, connection, regeneration, regenerative, third place, resilience, soft power

長寿の要因
Factors of longevity

長寿には、大きくは遺伝など「先天的要因」と、社会環境や生活習慣などの「後天的要因」があり、これらのマルチプルファクター(複合要因)によるものと考えられている。なにかひとつが特徴的に秀でていても長寿には到達できないものである。長寿は遺伝だからと嘆く人もいるが、寿命への遺伝素因の寄与率はせいぜい15%から25%であることがデンマークの双子研究を基に推計されている1-3)。生まれた後の要因の方が最大85%とはるかに大きく、居住国の経済レベル、医療レベル、保健福祉政策、衛生環境の改善などの社会環境要因や、食、運動、休養のいわゆる健康3本柱、ストレスマネジメントなどライフスタイル要因が健康と長寿に大きく関係していることが明らかとなっている。

現代の長寿科学は、ゲノム解析をはじめ、ゲノム編集、再生医療、ビッグデータ駆使といった科学技術の進歩とともに歩んでいるが、こうした最新のテクノロジーは、抗老化、寿命の延伸に大いに寄与してきたが、よりよく生きる、生き方への問いに答えられるものではない。

Longevity is thought to be largely the result of multiple factors: congenital factors such as heredity and acquired factors such as social environment and lifestyle. Longevity cannot be attained by excelling in any one characteristic. Although some people lament that longevity is genetic, it has been estimated on the basis of a Danish twin study that the contribution of genetic predisposition to life expectancy is at most 15% to 25%. Post-natal factors are much larger, up to 75%, and it is clear that social environmental factors such as the economic level of the country of residence, the level of medical care, health and welfare policies, and improved sanitation, as well as lifestyle factors such as the so-called three pillars of health (diet, exercise, and rest) and stress management are significantly related to health and longevity. The modern science of longevity is based on genome analysis.
 Modern longevity science has progressed along with advances in science and technology, such as genome analysis, genome editing, regenerative medicine, and big data.

ブルーゾーンとは
What is Blue Zones?

イタリア人の医師ジャンニ・ペスは、国勢調査のデータを使ってイタリア・サルデーニャ島の孤立した地域を探し出し、そこに世界で最も百歳者の男性が集中していることを発見、ブルーゾーンという言葉をこの地に最初に適用した。その後、ベルギーの疫学者ミシェル・プーランがペスの発見を国際的に確認し、2004年『Journal of Experimental Gerontology』誌に発表した4)。国際的な自然科学商業誌「ナショナル・ジオグラフィック」の記者・冒険家であるダン・ビュイトナーは、ブルーゾーンという言葉に触発され、この言葉を日本の沖縄、アメリカ・カリフォルニア州のロマリンダ、コスタリカのニコジャ半島、ギリシャのイカリア島に広げ、各国の研究者、医師らの協力によりブルーゾーンを人口統計学的に確認された長寿の場所の国際的呼称として確立した5)(図1)。

全米ベストセラーとなった同タイトル書には、沖縄を含む世界5大長寿地域それぞれの特徴的な食、身体活動、趣味嗜好などのライフスタイル、人生に対する考え方などが紹介されている。超長寿者が多いブルーゾーンには、何世紀、数千年にわたって培われてきた人類の経験が隠されていると著者のダン・ビュイトナーは語っている6)。

Italian physician Gianni Pes used census data to locate an isolated region of Sardinia, Italy, where he found the highest concentration of centenarians in the world and was the first to apply the term Blue Zone to the region. Later, Belgian epidemiologist Michel Poulin confirmed Pes’s findings internationally and published them in 2004 in the Journal of Experimental Gerontology. Dan Buettner, a reporter and adventurer for the international natural science commercial magazine National Geographic, was inspired by the term Blue Zones and extended the term to Okinawa, Japan; Loma Linda, California, USA; Nicogia Peninsula, Costa Rica; and Ikaria, Greece, with the help of researchers from various countries, Dan Buettner and his team have established the Blue Zones as an international designation for places with demographically confirmed longevity.

世界の百歳人に学ぶ健康と長寿9つのルール
9 rules of health and longevity learned from centenarians in the 5 major Blue Zones

百歳長寿者のことを“センティナリアン”と呼ぶ。Century(センチュリー;一世紀)を生き抜いた人々という意味である。その百歳者が何を食べ、何を日課にしてきたか、心がけていたことは何か。百年を過ごす中には、喜びも、怒りも、哀しみも、楽しみも、別れも、様々なライフイベントがあったであろう。それらをどう乗り越えてきたのか。自然と共生し、人と、地域と、どのようにつながってきたのか。一世紀をたしかに生き抜いてきた人々の、長い人生の中で培ってきた豊かな経験と知恵に触れること、これ以上の学びはないであろう。

ベストセラーブルーゾーンは世界中の研究者および現地の研究者らがその地域に戸籍の確かな長寿者が存在すること、長寿の要因を医科学的、社会学的な調査を背景にたしかめたものであるが、同時に長寿者一人一人の生きざま、生き方の様子を取材したルポルタージュでもあり、これこそ経験科学の蓄積の成果でもある6)。

現地調査、取材を重ねていく結果、世界5大長寿地域ブルーゾーンに共通する百歳者に学ぶ健康と長寿の秘訣が9つのルールにまとめられた。
ルール1  適度な運動を続ける
ルール2  腹八分で摂取カロリーを抑える
ルール3  植物性食品を食べる
ルール4  適度に赤ワインを飲む
ルール5  はっきりした目的意識を持つ
ルール6  人生をスローダウンする
ルール7  信仰心を持つ
ルール8  家族を最優先にする
ルール9  人とつながる
 基本的な生活習慣が大切であることに加えて、心構えや人生に対する姿勢、そして家族、地域、社会とのつながりが大切であることをあらためて気づかされるものである。

100 years-old peoples are called “centenarians,” meaning people who have lived through a century. What did these centenarians eat, what did they do on a daily basis, and what did they keep in mind? In the course of a century, there must have been joy, anger, sorrow, pleasure, farewell, and various other life events. How did they overcome them? How have they lived in harmony with nature, with people, and with the community? There is no better way to learn than to experience the wealth of experience and wisdom cultivated by people who have lived through a century of life.

The bestseller Blue Zones is a book in which researchers from all over the world and local researchers have confirmed, against the backdrop of medical and sociological research, that there are people of longevity in the region and the factors that contribute to their longevity, but it is also a reportage of the way of life of each and every one of these people, and this is precisely the result of the accumulation of empirical science. This is the result of the accumulation of empirical science6).

As a result of repeated field surveys and interviews, Dan Buettner and his team have compiled nine rules for health and longevity that we learned from centenarians that are common to the Blue Zones, the world’s five greatest longevity zones.

Rule 1: Keep up moderate exercise.

Rule 2: Eat eight portions of food and limit calorie intake.

Rule 3 Eat plant-based foods.

Rule 4 Drink red wine in moderation

Rule 5 Have a clear sense of purpose

Rule 6 Slow down your life.

Rule 7 Have faith.

Rule 8 Put family first.

Rule 9 Connect with others

In addition to the importance of basic lifestyle habits, this is a reminder of the importance of one’s mindset, attitude toward life, and “connection” with people, community, and society.

ブルーゾーン沖縄の健康と長寿の秘訣 
Secrets of Health and Longevity in the Blue Zone Okinawa

ダン・ビュイトナー著のベストセラーブルーゾーンには、沖縄の百歳人たちは、共通して以下のような習慣を身につけていたことを報告している5)。


●生き甲斐を持つ
年配の沖縄人たちは、朝起きるとき、きょう一日を生きる理由づけを、はっきり口にできる。明確な目的意識があれば、責任感が芽生え、社会で自分が必要とされているという認識が強まる。それが、百歳になっても続いているのだ。

●植物性食品を主体にした食生活を維持する
年配の沖縄人たちは、生涯の大部分、植物性食品を主体にした食生活を送ってきた。よく食べる野菜の炒めもののチャンプルー、サツマイモ、豆腐は、いずれも栄養価は高いが、カロリーは低い。ゴーヤ(ニガウリ)には抗酸化作用と血糖値を下げる効果があり、注目される。沖縄の百歳人は豚肉も食べるが、めったにないお祭りのときぐらいで、しかも少量だ。

●農作業をする
沖縄の百歳人は、ほぼ例外なく自分の畑で農産物を作っている。農作業が日常となっているため、体のあらゆる部分を動かし、ストレス解消にもなっている。さらに、つねに新鮮な野菜を自給できる。

●大豆をたくさん食べる
沖縄の食品には大豆を原料にしたものが多い。豆腐もみそ汁も、その仲間だ。大豆が含むフラヴォノイドは、心臓を保護してくれるとともに、乳がんを防ぐ効果がある。大豆を発酵させた納豆などの食品は、胃腸の健康に役立つし、栄養面でもプラスになる。

●近所付き合いを続ける
沖縄の伝統である模合の制度は、セーフティネットになっている。困ったときの財政的・精神的な支えであるとともに、メンバーのストレス解消に役立っている。手助けしてくれる人がだれかいる、という意識が、気を楽にしてくれるのだ。

●日光を浴びる
日常的に太陽光を浴びていると、体内でビタミンDが作られる。その結果、骨が強くなり、体全体が健康になる。毎日、外に出ることによって、年配の沖縄県民は一年中、望ましいビタミンDを保持している。

●よく体を動かす
年配の沖縄県民はよく歩き、農作業にもいそしんでいる。家にはあまり家具を置かず、畳の上で食事し、横にもなる。年配者でも一日に何十回も立ったりすわったりすると、下半身が強くなるし、バランスをうまく保てるようになるため、転倒事故を防ぐうえでも役立つ。

●薬用にもなる菜園を作る
ヨモギやショウガ、ウコンなどが、沖縄の畑でさかんに栽培されている。いずれも、医薬品としての効果がある。これらを毎日、食べていると、病気になりにくい。

●強い意思を持つ
苦難に耐える気質が、沖縄県民に好ましい強さをもたらしている。若いころに体験した辛い経験があるため、現在のささやかな楽しみにも感謝できる。自分たちの体験を教訓にして、老齢に達しても若者との交流を保っている。

沖縄県の公式健康調査による健康長寿の要因(荒川教授の分析による)
Factors contributing to healthy longevity according to Okinawa Prefecture’s official health survey (based on Prof. Arakawa’s analysis)

筆者とビュイトナーとは、ビュイトナーが2000年に沖縄入りした際に、長寿村として知られた大宜味村への取材に同行した経緯がある。当時筆者は福岡大学大学院医学研究科の博士課程生で、沖縄県庁が毎年百歳となった長寿者全員を調べるという健康調査の分析を担当していた。トータルでは百歳者1,813名を分析した世界最大規模の疫学研究によって、100歳者における高血圧と脳卒中既往歴との正の関連を明らかにした7)。研究データベースの中には、ビュイトナーが“ブルーゾーンのシンボル”と慕う当時104歳の奥島ウシおばあも含まれている。

沖縄の健康長寿を支える要因を総括すると、亜熱帯海洋性気候に属し、年間を通し温暖であることによる身体活動量の確保、地域固有の食材、独特の食文化、伝統的風土の継承、社会関係資本(ソーシャルキャピタル)の存在などが挙げられる。沖縄長寿者に特徴的なライフスタイルをまとめると以下が特徴としてあげられる8)(表1)。

表1. 沖縄の健康長寿を支える要因

ブルーゾーン沖縄長寿は高齢世代と中高年世代で「二極化」
Longevity in Blue Zone Okinawa is “polarized” between older and middle-aged generations

かつて世界一であった沖縄県が長寿転落の一途を辿っていることが報道等で取り上げられるが、その多くはただただ転落を嘆く画一的な論調である。戦後の米軍統治下、ファーストフードに象徴される米国型食習慣が急激に流入し、こうした生活に幼少青年期に強くさらされた県民が、いま中高年世代になり日本一の肥満県となっている。肥満は重篤疾患の要因であり死亡率を高める。沖縄の伝統的食文化を継承する意識が薄まった若年世代、中年世代に健康被害がおき、平均寿命では転落したという実態も浮かびあがっている。また、成人ひとり1台ともいわれる自動車生活の浸透で運動不足が起こっている影響も指摘されている。

沖縄に健康と長寿の学びはもはや完全に失われてしまっているのだろうか。2022年12月発表の厚生労働省発表の都道府県別平均余命(2020年都道府県別生命表)9)によると、沖縄県の75歳以上高齢者は全国で女性1位、男性2位と男女平均では依然として日本一をキープしている。世界保健機関(WHO)が発表した2021年の統計によると、日本人の平均寿命は84.3歳で世界一と、統計を遡ることができる年から長寿世界一の座を守り続けている。日本は世界一長寿国であることから、沖縄は後期高齢者層ではいまだ世界一である。また、65歳以上の平均余命では男性は15位だが、女性は連続1位である。

厚生労働省が発表する2023年9月発表10)の沖縄の100歳以上者は1,244人、男性は133人、女性は1,111人と千人を超える100歳者が在住している。人口10万人あたりの100歳以上者は84.74人となっている(沖縄県人口146万8千人)。沖縄県が発表する2023年1月時点での市町村別人口10万人あたりの100歳以上者11)では、1位が本島北部の大宜味村(20人、10万人あたり657.03人)、2位が渡名喜村,3位が今帰仁村となり,上位10位のうち8地域は本島北部のやんばる地域となっている(表2)。やんばる地域(国頭村、大宜味村、東村)は2021年、国連教育科学文化機関(UNESCO:ユネスコ)の世界自然遺産に登録された。登録の理由は「生物多様性」が認められたことであるが、生物も含む自然とつながり、共生を果たしてきたブルーゾーン沖縄長寿者の里山文化の暮らし、その継承によるものも大きい。

表2. 都道府県別平均余命(65歳、75歳)

表3. 沖縄県市町村別100歳以上数、人口10万人あたり100歳以上数

幸福度日本一は沖縄
Okinawa has the highest level of happiness in Japan

日本のシンクタンクであるブランド総合研究所の調査12)によると、「あなたは幸せですか」という問いに対し、沖縄県の住民の約8割が「幸せ」と答えている(「とても幸せ」(41.8%)、「少し幸せ」(36.2%)と答えた割合の合計)。47都道府県中では2 年連続1 位である(表3)。一方、沖縄県は日本の全国平均から見ると所得が最下位である。資本主義的な文脈での豊かさは低いが、所得水準や一人当たりGDPが必ずしも幸福度につながらないというEasterlin Paradox(幸福のパラドックス)13)を参考に、沖縄には経済以外の要素として、豊かな自然環境、地域行事の多さ、相互扶助(ゆいまーる)など支え合いの精神が浸透している、すなわち社会関係資本の強さや、郷土への愛着心などが幸福度を高めている要素ではと推測される。

日が昇れば活動し、日が落ちたら体を休めるというように、自然のリズムに逆らわない暮らしの様子が沖縄では今もよく見かけることができる。沖縄の風土柄培われてきたウチナータイム(沖縄時間)は、次世代生活創造者が憧れるスロースタイルそのもので、ゆっくり時の流れに身を委ね、ストレスフリーで心穏やかに、忘れかけた大切な時間の存在を気づかせてくれる。地域の伝統行事や模合(もあい)に象徴される会合は盛んで、強固なソーシャルネットワークに支えられ、長寿者は活き活きとしている。沖縄が統計的に長寿世界一を達成したのは事実であり、古き良き生活様式や健康長寿にまつわる資源は高齢世代でいまだ受け継がれて“ここに在る”。

表4. 都道府県別幸福度

ブルーゾーンとウェルネス
「新ブルーゾーン沖縄」の発信で新たな視点と市場を創造する
Blue Zones and Wellness
Creating new perspectives and markets by communicating “New Blue Zone Okinawa

世界は今、新世界秩序に向けての一大転換、“グレート・リセット”の真っ只中にある。グレート・リセットとは2021年世界経済フォーラム(通称ダボス会議)のテーマであり、同会議創設者、提唱者のクラウスシュワブ博士は、新型コロナ後の世界では、人々の生活、常識は根底から覆されると言い切っている14)。アフターコロナで変わる世界と価値観。そのなかで、人類に不変の欲求というものもある。人類の歴史において、お金も、名声も手に入れた為政者は、最後は「不老長寿」を目指した。時代が変わっても人類が希求するテーマとは、いつまでも活き活きと健やかであること、すなわち健康であり、そして長寿であろう。

アフターコロナの世界では健康で充実したライフスタイルを実現させたいニーズが全世界で高まると同時に、これまでと違った生活様式、ニューノーマル時代が到来し、新しい働き方、生き方を求める欲求も全世界規模で高まってきている。よりよく生きる、生き方のヒントを、世界中が求めている。また、コロナ禍以前から、環境との共生ライフスタイルを志向し、一部行動実践をする人口層が世界各国で増加してきている15)。アフターコロナでは、ウェルネスやウェルビーイングな価値観に基づく次世代ライフスタイルが全世界で共有認識され定着していくことが予測される。ファーストライフからスローライフへ、グローバル志向からコミュニティ志向へ、ビジネスもグローバル化からコミュニティ化へ、高度情報化社会は進みテクノスキルも身につけながら、そもそも大事なのは「生きる力」ライフスキルへの気づきへ、ビジネスもグローバルビジネスからコミュニティビジネスへ、地域、社会全体が幸福になることが、結果、自分も幸福になるという価値観の共有が、世界中で始まっている。

ウェルネスとは、健康を身体の側面だけでなくより広義に総合的に捉えた概念で、アメリカのハルバート・ダン医師が初めて提唱して60年が経つ16,17)。その後、世界中の研究者らが追定義を重ね、国によって、社会情勢、時代によって人々のライフスタイルと価値観も変容していくなかでその概念も変化してきている。ウェルネスの最も新しい定義として筆者では「身体の健康、精神の健康、環境の健康、社会的健康を基盤にして輝く人生をデザインしていく生き方、自己実現」18-21)として、健康(基盤)とウェルネス(ゴール)とうぇルビーイングの関係性をマズローの欲求5段階説22)を利用して整理し、生き方、ライフスタイルデザイン、自己実現を含めた、あらゆる分野、事業者が参画できる新しい時代のウェルネスを提案している(図1)。世界ウェルネス機構発表の2022年時点の市場規模は5.6兆ドル(≒807兆円)と極めて巨大な市場を形成しており、今後も急速な市場成長が予測されている23)。

健康長寿の要因を説くブルーゾーンは、健康医療福祉産業分野で活かされるのみならず、時代の高付加価値産業分野のウェルネス、ウェルビーイングにまつわるモノ、コト、プレイスの提供分野でこそ活かされ、人々の生きがい、アフターコロナの働き方、生き方に大いなるヒントをもたらすことであろう。

図1. 新しいウェルネスの定義、健康、ウェルビーイングとの関係

ブルーゾーン沖縄から学べる原点回帰ライフスタイル
Back-to-Origin Lifestyle Learned from Blue Zone Okinawa

“Okinawa is Blue Zone!” (沖縄はブルーゾーン!) と認識する海外知識階層、富裕層は多い。2005年、世界最大の自然科学商業誌「ナショナル・ジオグラフィック」に沖縄の長寿の秘訣が36言語に翻訳、180カ国以上に紹介された24)。その後2008年にブルーゾーン第一弾を発表したダン・ビュイトナーによるベストセラー書はシリーズ化され、2023年には世界2億4千万人が加入するNetflix(ネットフリックス)でブルーゾーン4話シリーズが制作、その第1話に沖縄が登場する。同シリーズは世界中で放映され、今もなお高付加価値を求める層、特に知識階層に訴求力あるワードとなっている。

世界に5つしかないブルーゾーン、アジアでは唯一が沖縄であるという大きな価値を活かして、ここ沖縄には一世紀を生き抜いた人々の健康と長寿の知恵がある、それはただ長生きではない、輝く人生、よりよく生きるを意味する“ウェルビーイング長寿”があることを発信していくべきであろう。沖縄固有の資源には、輝く人生、豊かな人生に寄り添う“ウェルネス資源”という新しい価値を見出すことが可能である。健康の狭義に囚われ、0.1歳刻みの平均寿命の統計結果に一喜一憂するのではなく、大きな変革の時代、生きがいを求める時代に合わせ、ブルーゾーンのメッセージを世界中で増加する次世代ライフスタイル志向層に受容されるための創造力が今、沖縄には求められている。

ブルーゾーン9つのルールにある「スローダウン」。沖縄の風土柄培ってきたウチナータイム(沖縄時間)は、次世代生活創造者にとってはスロースタイル、スローライフの精神で、ゆっくり時が流れるのを楽しむ、こころ穏やかに、忘れかけた大切な時間に気づかせてくれる価値が発信できる。リゾート沖縄は都会からのリトリート(回避)と非日常の上質な空間であるとともに、「異日常」の生活文化から刺激と発見を提供できる。レジャーの場としての海でなく、文明最古の医療の場が海だったという本来価値を打ち出して、免疫力、自然治癒力を高める海洋療法を提供できる。琉球の島全体が、山、森、川、風、岩のひとつひとつに神が宿る神羅万象の聖地、祈りの島であり、自然とのつながり、祈りの文化に触れ、魂の癒しを得ることができる。沖縄県が指定する沖縄伝承島野菜28種類、高タンパクの島豆腐、モズクをはじめミネラル豊富な海藻で構成したオキナワンスローフードでインナービューティー(内からの美と健康)を磨くことができる。沖縄空手、琉球舞踊、歌三線、伝統工芸など琉球の伝統文化体験は自己開発コンテンツ、チームビルディングを高める企業研修素材として活かせる。イチャリバチョーデー(一度会えば皆兄弟)の精神でこの島の真正のホスピタリティマインドに癒される。ウェルビーイングの島として、人々の人生に組み込まれる地、何度も訪れる地、第三の地、ウェルネスサードプレイスとなるのが、観光のその先、沖縄の真の姿である。

アフターコロナ時代の生きがいのヒント「つながり」“TSUNAGARI”
“TSUNAGARI”(connection) is a clue to “IKIGAI” (purpose of life) in the post-corona era.

ブルーゾーンの長寿者に学ぶ健康と長寿の9つのルールの最後には「人とのつながり」が挙げられている。長寿要因には遺伝よりも生活習慣や社会環境による後天的要因が大きく影響しており、特に社会とのつながり、豊かな社会関係資本が重要であることが研究報告されている。ライフスタイル別での長寿への影響を比較した結果、「煙草を吸わない」「アルコールを飲みすぎない」「運動する」「太りすぎない」という健康習慣よりも、「社会とのつながりの種類や量が多い」「社会とのつながりを介して受け取る支援が多い」因子が長寿に強い関連を持つことが明らかとなっている25)。

ブルーゾーンで紹介される長寿者たちは共通して家族とのつながり,友人知人とのつながり、地域社会とのつながりが強固で、お互いに支え合うことが精神的にも安定をもたらし、ストレスを減らし、そして生きる気力となっていることが推察される。日本や沖縄でも、美しくも時に大災害をもたらす自然への畏敬の念と共生(自然とのつながり)、世代を超えて受け継いできたライフスタイル(先人の知恵とのつながり)、相互扶助、コミュニティ力(地域とのつながり)を大切にしてきた結果が長寿に関連していることは十分考えられる。

アフターコロナの時代を生きる我々にとって、生きるヒント、生き方のヒントとして、ブルーゾーンに登場するつながりと生きがいの関係に再び注目すべき価値がある。筆者ではこれを人、自然、地域とのつながりという3つの軸にまとめた(図2)。かつてブルーゾーン沖縄、日本人に特徴的に見られる概念である「生きがい」を“IKIGAI”と発信されたように、つながりも“TSUNAGARI”として世界へ発信していくことを提案する。つながりが希薄になりつつある現代において、どう新しいつながりTSUNAGARIを創っていけるか、現代ライフスタイルにどう組み込んでいけるか、若い年層も参加できるような新つながりTSUNAGARIの仕組みを考えてみるのもよい。人、自然、地域とのつながりの創出は生きがい(IKIGAI)につながる。こうした関係性をブルーゾーンの本質として今なお色濃く自然・地域・人とのつながりが強固な沖縄から学び、アフターコロナの新しい生き方、働き方への大きなヒントとすることができるであろう。

図2. 人、自然、地域の3つのつながり

人・自然・地域とつながり、その再生に貢献することで”IKIGAI”は生まれる
“IKIGAI” is created by connecting with people, nature, and communities and contributing to their regenerations

近年、欧州、米国を中心に、従来の持続可能性「保全」「維持」を考えるだけでなく、“リジェネレーション”(Regeneration)と称し、その先の「再生」そして「創造」までを考える動きが広がっている。再生建築、再生農業の分野で先行しているが、アメリカの環境保護活動家、起業家でもあるポール・ホーケンは、あらゆる行動や決定の中心に、人を含む「生命」を据えることの重要性を説く。自然環境を生き返らせるだけでなく、人々を活気づけ、生計手段を生み、人々を生き返らせる仕事やウェルビーイングに貢献できる仕事を創造する「再生」が持続可能性の次の波と呼ばれている26,27)。人間と他の生命、自然環境、地球をも相互依存の関係と捉え、ホリスティック(全体論的)な世界観に基づき、運命共同体の意思という血液がからだ全身に行き渡り、循環し、成長し、繁栄につながっていくものであろう。人不在の自然環境も成り立ちはするが、人もシステムの一部であり、日本の里山文化のようにそこで暮らす人々の生活・なりわいと共生し、手を加えられ利活用されることで守られていった自然もある。

ここに時代の価値観、社会情勢によって変わっていくウェルネスの新しい解釈として「人の再生」という新しい視点を提案する(図3)。環境破壊の始まりは人に起因するものが多く、地球規模、世界的な課題解決を考えるとき、まずは、内なる自然(=人・体内環境)、そこに何かしらの不調があれば、その内なる環境の課題にまず目を向ける必要がある。健康を内なる自然という視点でとらえ、自然界、地球ともつながる体内環境を良くしていくことはすなわち人の再生であり、自然の健康、地域の健康、地球全体の健康に相互依存するプラネタリーヘルスの概念にも通じる28)。

ブルーゾーン沖縄は健康と長寿の知恵はもとより、人、自然、地域とつながり、レジリエンス(弾力性・回復力・しなやかさ)29)をもって、共生から再生を果たしてきた要素にあふれている。島嶼という環境脆弱性は、一方で上質な環境との共生実践フィールドである。多様性ある沖縄で人とつながり、自然とつながり、地域とつながることで地球環境レベルの相互依存関係の視野に立ち、そのうえでどう人を再生し、自然を再生し、地域を再生していけるかを志向し、実践する。自他を尊重し、自他に行動実践することが社会貢献欲求、自己実現欲求を満たし、生きがい(IKIGAI)を生み出すのではと思量する(図4)。

図3. 人の再生

図4. つながりConnection→再生Regeneration→生きがいIKIGAI

観光の島沖縄からウェルビーイングの島沖縄へ
From OKINAWA as an Island of Tourism to OKINAWA as an Island of Well-Being

観光の島といわれる沖縄は、サービス産業を中心とする3次産業に偏りある県経済構造で、災害、風評被害で容易に揺れ動かされる特徴がある。アフターコロナを機に、世界的に成長著しいウェルネス市場に向けて、ウェルネス資源にあふれる“ウェルビーイングアイランド沖縄”という発信で、環境に地域に人に優しい持続可能な再生型産業クラスター(集積地)を形成し、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の壮大な実証地となること、それにより次世代ライフスタイル志向者、創造企業を呼び込み、一次二次三次産業のバランスのとれた経済構造への転換に資する取り組みとなるのではないか。沖縄は世界に5つしかないブルーゾーンでありアジアでは唯一である。成長著しいアジア・ゲートウェイ沖縄は“次世代ライフスタイルの島”としてアジアのウェルネスセンターとなれるポテンシャルがある。

人生百年時代、百年に一度の大災害といわれたアフターコロナだからこそ、一世紀を生き抜いた人々の普遍的な知恵に再注目し、そこにはただ長生きではない「よりよく生きる」 ためのヒント、そして、ポストコロナ時代を生き抜いていける働き方、生き方のヒント、そして新たなつながり、再生、創造のヒントまで隠されている。

観光のその先へ。沖縄は人々の人生の一部に組み込まれる“ウェルネスサードブレイス沖縄”であり、“TSUNAGARI(つながり)の島”、 人、自然、地域の再生を果たす” Regeneration(再生)の島“、ただ長生きではない”IKIGAI(生きがい)の島“である。この島嶼には先人の知恵を形にした固有の多様な伝統文化があり、沖縄空手、琉球舞踊、歌三線、琉球料理、伝統工芸、しまくとぅばをはじめ、その型の継承を通して自然への畏敬の念と共生観を育み、精神性、レジリエンスを養い、結果として長寿の要因ともなっているであろう。沖縄の伝統文化はブルーゾーン沖縄の“ソフト・パワー(Soft Power) 30)といえる。
沖縄は、世替わりの歴史、沖縄地上戦の苦難を乗り越え、先人たちの生き抜く知恵がある”生きた学びの島“でもあり”平和の島“である。世界平和の架け橋という役割を果たす沖縄の時代が来たと確信している31)。

参考文献

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