ウェルネス研究分野

健康×医療×福祉×食×文化×スポーツ×美容×環境×IT×「観光」=次世代ライフスタイル産業の創造

国立大学法人琉球大学ウェルネス研究分野は、国立大学初の観光系学部である観光産業科学部(2018年度より国際地域創造学部に改組)の社会連携の場として学内共用スペースの利用認可を機に、企業の要望や国県自治体の地域振興に関わる共同事業を積極的に受け入れる体制を整え、これまで多くの産官学連携を果たしてきています(共同/受託研究/寄附金獲得件数 61件;過去6年間、学内第1位)。

こうした研究成果を活かし、健康、医療、福祉、スポーツ、食と農、美容、環境、ファッション/デザイン、文化、ITなど様々な分野と「観光」の融合に研究領域を拡げ、現代社会および次代のニーズを見据えた新しい連携共創のあり方を探索しています。

従来の関連分野の枠組みを超えたアライアンスをキーワードに、多業種、多職種、異業種連携による次世代の新産業イノベーションを起こす『プラットホーム』としての社会実験的拠点機能を担うことを目指しています。

【第3期中期目標期間に係る特記事項】
○Ⅰ.A-1 沖縄の強みを生かした、産官学連携による「ウェルネス分野」の創造
第3期現況調査・研究_8203_琉球大学_国際地域創造学部、観光科学研究科

日本再興戦略とヘルス&ウェルネスツーリズム
~多業種、異業種、多職種連携の次世代ヘルスケアツーリズム~

2014年6月閣議決定の国家戦略「日本再興戦略」では、国民の健康増進による「医療費削減」、「新たな市場創出」、「雇用の拡大」による経済成長の一石三鳥の効果ができる分野として『健康寿命延伸産業』が掲げられています。

民間事業者等が創意工夫を発揮できる市場環境の整備をし、「医・農商工連携」など地域資源を活用したヘルスケア産業の育成を支援するなかで、国土交通省(観光庁)、経済産業省、農林水産省、総務省など各省が健康、医療、観光を結びつける事業支援をスタートさせています。もとより多業種、異業種連携で成り立つ世界最大の総合産業「観光」の果たす役割は、次世代ヘルスケア分野でも注目されはじめています。

これまで観光の枠組みでとらえられていたヘルスツーリズム(健康ツーリズム)ですが、次世代ヘルスケア産業創出に向けた「ヘルスツーリズム認証制度」の動きや、健康医療の本丸である厚生労働省における、糖尿病予備群を対象にホテル旅館などの地域観光資源等を活用する「宿泊型新保健指導プログラム(スマート・ライフ・ステイ)」試行事業の全国展開は画期的な動きといえます(H26~)。

ニューツーリズムとして現代へ再登場したヘルスツーリズムから、次世代ヘルスケアの期待を担う『日本型ヘルスツーリズム』(Health Tourism in Japan. Arakawa M, 2015)が今動き出しています。

『日本型ヘルスツーリズム』の体系化

2003年の観光立国宣言以降、全国に観光系学部コースが相次いで新設される動きの先駆けとして、2005年に国立大学で日本初の観光系学科が琉球大学に新設されました(2018年4月より「国際地域創造学部観光地域デザインプログラム」に改称)。

沖縄の地理的特性、亜熱帯海洋性気候の自然、歴史文化の多様性に根差した、ここでしか学べない科目群を大きな特徴とするなかに、健康と観光の融合を図る「ヘルスツーリズム論」を日本の大学として初めて開講し、現在に至っています(2019年度よりJTB総合研究所よりご寄附いただき「JTB総合研究所寄附講義ヘルスツーリズム論」として実施)

ヘルスから『ウェルネス』へ~新しいウェルネスの定義、次世代ライフスタイルの研究開発

身体的・精神的な健康はたしかに重要ですが、それらを基盤として、豊かな人生、輝く人生を実現することが目的、ゴールであり、自己実現に向かっている状態を私たちはウェルネスと表現しています。

自己実現に向けて何かに没頭している、生き甲斐を見つけ、熱中している時は輝く人生の真っただ中でありウェルネスであります。多様な志向層に支持され、多様なプレーヤーが参画できる新たなウェルネスの定義として「身体の健康、精神の健康、環境の健康、社会的健康を基盤にして豊かな人生(QOL)をデザインしていく生き方、自己実現」(荒川,2017)という提唱をもとに、健康医療はもちろんのこと、衣・食・住といったライフスタイル、さらに経済社会のウェルネス、地域地球環境のウェルネスに至るまで、あらゆる分野から参入可能なテーマであり、多業種、多職種、異業種の連携、相互交流によるサービスイノベーション創出、新市場開拓の可能性を研究してまいります。

沖縄の強み、琉球大学が先進に取り組むウェルネス、ウェルネスツーリズム

国内有数の観光地であり、健康保養資源に恵まれた沖縄では、健康、ウェルネスをテーマとした旅の提案・開拓が優位に展開しうる基盤を備えています。島嶼という環境脆弱性は一方で良質な環境との共生実践フィールドにもなり、地域固有の資源に根差した研究は世界で唯一の研究に通じます。

琉球大学の研究とんがりとされる「島嶼・海洋」「熱帯・亜熱帯」「琉球・沖縄」「健康・長寿」のいずれにも「ウェルネス資源」という価値を見出し、ツーリズムを掛け合わせることで特色を増し、新しい産業創出、新しい次代のライススタイル価値提案が期待されます。

ウェルネス研究分野では日本で唯一のヘルスツーリズム、ウェルネス、ウェルネスツーリズムを産官学連携で取り組む研究開発拠点として、日本およびアジア環太平洋地域「アジア」から発信する新しいウェルネス研究の学際研究・開発拠点、産学連携拠点の形成を進めていきます。

Blue Zone Okinawa ブルーゾーン沖縄研究センターの開設
 研究成果の社会実装、実践テーマのひとつとして、世界5大長寿地域Blue Zone(ブルーゾーン)として世界ベストセラーにより認知される沖縄の健康と長寿に関する基盤研究およびブルーゾーン×ウェルネスをテーマとした高付加価値型のウェルネス産業研究開発、ウェルネスツーリズム研究開発を多数の企業、自治体等と共同実施していきます。沖縄は世界ベストセラー「The Blue Zones」世界5大長寿地域のひとつに掲げられることから、海外ではすでに数十億ドルともいわれる市場規模のブルーゾーンにまつわるモノ・コト・プレイス市場創出へ産業界、行政からの期待は高まっています。そのための基盤研究、産官学プラットホーム機能を担うためブルーゾーン沖縄研究センター(プロジェクト;Blue Zone Okinawa Research Center)名で各種共同研究・開発を遂行していきます。

 日本最南端に位置するアジアの玄関口として、国立大学としての果たす役割、本学の基本理念である地域・国際社会への貢献として、地域の自然環境、歴史・生活文化、そして健康長寿・人を含む地域資源を「ウェルネス資源」として掘り起こし、「地方創生」のモデルに資する新たな視座と方法論を提起するとともに、次の基幹産業とされる観光産業、健康医療福祉産業、次世代ヘルスケア・ライフスタイル産業の振興に寄与していきます。

琉球大学国際地域創造学部/観光科学研究科
ウェルネス研究分野
教授 医学博士 荒川雅志
琉球大学研究者総覧

主要研究および産官学連携テーマ

―共同研究開発、連携企業を随時募集しております―

ヘルス&ウェルネスツーリズム研究センタープロジェクト ―ウェルネス健康と観光の融合―

  • 日本アジアのウェルネス研究開発拠点形成
  • 日本のヘルス&ウェルネスツーリズム研究拠点形成
  • ヘルスツーリズム研究データベース構築、実証実験
  • リジェネラティブツーリズム(再生観光)デザイン、人の再生ウェルネスのモデル開発

    ・文部科学省科研基盤研究(C)「リジェネラティブ再生デザインによるウェルネスツーリズム定義とモデル開発」R6-R8(代表:荒川雅志)
    ・文部科学省科研基盤研究(C)ウェルネスツーリズムの学術基盤構築に関する研究R2-R5(代表:荒川雅志)
    ・文部科学省科研基盤研究(C)次世代ヘルスケアとしてのヘルスツーリズム研究H29-H31(代表:荒川雅志)
    ・文部科学省科研基盤研究(C)ヘルスツーリズムのエビデンス基盤構築H26-H28(代表:荒川雅志)
    ・文部科学省科研基盤研究若手(B)ヘルスツーリズムの効果に関する実証的研究H23-H25(代表:荒川雅志)
    ・文部科学省科研基盤研究若手(B)百歳超高齢者の身体的、体力医学的特性と健康に関する研究H21-23(代表:荒川雅志)

アジア沖縄海洋療法研究センター拠点プロジェクト ―世界第6位の海域を健康資源へ―

  • アジア環太平洋島嶼地域の海洋療法研究センター拠点形成
  • 海洋療法、海洋深層水のエビデンス、実証実験
  • 海洋療法、海洋深層水のエビデンスデータベース構築

Blue Zone Okinawaブルーゾーン沖縄研究プロジェクト ―世界5大長寿地域沖縄の健康とウェルネス長寿の知恵―

  • ブルーゾーン沖縄・アジア新市場創出
  • ブルーゾーン沖縄ツアー開発(Blue Zone Okinawa Wellness tour)
  • ブルーゾーン生きがい、つながり、再生のまちづくり産官学連携事業

ニューツーリズム研究開発プロジェクト ―次世代観光による地方創生―

  • メディカルツーリズム研究/共同開発 (医療と観光)
  • スポーツツーリズム研究/共同開発 (スポーツと観光)
  • スパ(SPA)ツーリズム研究/共同開発(癒し産業と観光)
  • バリアフリーツーリズム研究/共同開発 (福祉介護と観光)
  • グリーンツーリズム研究/共同開発 (農業、環境と観光)
  • 健康長寿ライフスタイル研究/共同開発 (長寿と観光)
  • コミュニティヘルスツーリズム研究/共同開発(地域保健と観光)
  • フードツーリズム、フードビジネス共同開発 (食と観光)
  • 食育観光、旅育研究/共同開発 (教育と観光)
  • IT観光、DXと観光研究/共同開発 (ITと観光)
  • 旅を活用した健康経営プログラム開発
健康医療・食と観光創造プラットホーム

産官学連携共同研究・受託研究テーマ一覧(実績)

  • 海洋療法プログラム研究開発プロジェクト
  • 沖縄健康長寿レシピ開発プロジェクト
  • アンチエイジング医療ツーリズム研究開発プロジェクト
  • 海洋性ウェルネスプログラム研究開発プロジェクト
  • 健康長寿文化医療ツーリズム研究開発プロジェクト
  • 広域連携環金武湾QOL振興プロジェクト
  • 沖縄文化産業コンテンツ研究開発プロジェクト
    (沖縄デスティネーションスパ、島すぱモニターツアー開発)
  • 健康文化医療ツーリズム研究開発プロジェクト
  • 健康保養分野に係る国内外文献収集整備事業
  • 水中可視光通信技術と水中癒し技術の組合せによる新たなダイビングサービスの創出
  • 健康長寿きたなかぐすく構築調査事業
  • 水中癒し健康観光プログラム研究開発
  • 食文化の継承・発展活動の推進に関する研究
  • メンタルヘルス社員生産性向上ツアープログラム開発
  • アスリートの癒し及び疲労回復のための環境評価に関する介入研究
  • 宿泊型新保健指導プログラムツアー開発および効果検証事業
  • 沖縄メディカルリゾート開発流通促進事業
  • コミュニティヘルスツーリズム研究プロジェクト
  • 着地型体験型観光商品開発、流通促進に関する調査事業
  • うるま市ゆいゆいウォークロコモ測定会企画実施事業
  • 介助付き自然体験ファミリーウェルネス着地型プラン開発
  • 特定保健指導対応ツアー開発
  • 沖縄美らセラピーツアー開発
  • 透析旅行調査研究
  • タラソアクアセラピー検証プロジェクト
  • 沖縄新100歳長寿者健康疫学研究
  • アレルギー対応型久米島コンシェルジュ育成事業
  • 介護者のレスパイトとリラクゼーションのウェルネス商品開発
  • ノルディックウォーキングコース開発、消費エネルギー計測事業(海洋博記念公園、座間味村)
  • 石垣命草未病・予防ツーリズム開発監修
  • 久米島海洋ウェルネスプログラム開発事業
  • シニア検定、ケアセラピスト養成大学連携事業
  • 沖縄ハワイウェルネス産業交流拠点形成事業
  • 富裕層向けツーリズムビジネスチャネル構築(中国、韓国、ロシア)
  • ラグジュアリーリゾートホテルウェルネスメニュー開発、ウェルネスコンシェルジュ人材育成受託
  • 沖縄空手ツーリズム開発
  • Blue Zone Okinawaブルーゾーン沖縄ツアー開発

共同・受託可能テーマ

  • 健康素材、商材のエビデンス獲得
  • 健康、医療、食分野のマーケティング調査受託
  • 健康をテーマとした観光開発、地域振興計画設計・監修
  • アンケート調査票設計、研究デザイン設計
  • 健康・癒し(ストレス)測定評価機器の貸与、検証・評価パートの再受託担当
研究室情報
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プロジェクト一覧
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共同研究・受託研究・共同研究員募集
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