~家族の絆を手に入れる旅~ファミリーウェルネス着地型プランを共同開発しました

―介助付自然体験ファミリーウェルネス着地型プランの開発報告―

沖縄県の文化観光スポーツ部観光振興課が主管の「平成25年度地域観光資源創出支援事業」にNPO雄飛ツーリズム(ネイチャーみらい館)、ふくらしゃや、Caféがらまんじゃく、カフェレストラン長楽、佐喜眞義肢、琉球リハビリテーション学院、当ヘルス・ツーリズム研究分野が連携体として採択され、今年度は着地型プランの開発、2回のモニター検証を実施してまいりました。

実施地である金武町は沖縄本島北部東海岸域に位置し、沖縄名物「タコライス」の発祥地で知られる以外には主だった観光地もなく、基地のまちとしてのイメージが強い地域であります。一方近年、基地の返還地である「ギンバル訓練場跡地」の再開発において、外資系ホテル(ヒルトン沖縄金武)、地域医療施設、海洋療法施設、ヘルスケアフィッティング施設を要した総合施設の開設計画が進んでおり、金武町のイメージを刷新する新しい観光資源ブランディングの契機を迎えていますが、こうした施設間の連携や点と点を繋ぐソフト開発が求められていました。

金武町は、沖縄食材「田芋(ターンム)」の沖縄一の生産量を誇る町でもあります。親芋の周りに次々と小芋、孫芋を繁殖していくことで古くから「子孫繁栄」の縁起物として親しまれてきた地域食材です。こうした発祥の由来を解説しながら、親子3代で手に手を取り合う収穫体験、調理体験や実食は、ここでしか体験できない食育、ウェルネスプログラムであり、また家族にとって「絆」を深める貴重な機会として思い出に深く刻まれるのでは、そうした旅の提案ができないかと当センターはコンセプト企画作成・提案しました。ギンバル跡地の医療ヘルスケア複合施設、理学療法士・作業療法士を目指す若者が集う人材資源をうまく活用した滞在メニュー、また沖縄に期待される滞在リハビリプログラム確立を目指して開発が進みました。

連携が進み、ついには変形性膝関節症で歩行が困難な方でも、さらには脳性麻痺の方、お子様でもマングローブカヌー体験、乗馬セラピー(ホースアシステッドセラピー)、ヨガ体験などが楽しめる体制づくり、受け皿づくりを構築することができました。さらには、だれにでもやさしい観光地づくり、次代の観光として「ユニバーサルツーリズム」の実現を図るため、NPOバリアフリーネットワーク会議(親川修代表:当研究センターメンバー)、神戸ユニバーサルツーリズムセンター(鞍本長利代表)、そして流通開拓を支援する株式会社KBS創研(小泉寿宏代表)と新たに連携体制を構築しました。商品造成の具体がみえる結果、去る3月6日に行われた沖縄県の最終報告会・商談会では高い評価を得ることができました。

変形性膝関節症の患者数は国内で1200万人、要治療者は700万人、予備軍は推計2500万人といわれています。障害を有するご家族がいるために家族全員が旅行をためらっている場合も多いことが推測されます。我々ヘルス・ツーリズム研究センターは、こうした対象の旅行ニーズの掘り起し、潜在市場・顧客に訴求力ある新たなニューツーリズムの研究開発に取り組んでおります。今回、介助付きメニューを地域資源を活かして開発し、脳性麻痺のモニター様でもチャレンジする「きっかけづくり」を提供する機会、「地域が意義ある脇役」となることができました。主役は家族です。家族の励ましという最後のひと押しがあって生まれて初めて馬に乗れた、家族一緒の旅という提案および実際の受け地体制がなければ、もしかして一生諦めていたかもしれない、不可能が可能になった奇跡の瞬間をみた、可能にした旅の力を見出した事業でありました。

~またいつか必ず、家族一緒でここに集まろう!そんな家族の健康と絆(きずな)を確かめ合うためのデスティネーション(目的の地)に沖縄がなってほしい~

沖縄は日本人全体のライフスタイル、人生の一部に組み込まれ、健康への気づき、健康リセットの島になれる、なるべき使命(ミッション)があると信じています。我々ヘルス・ツーリズム研究分野は、観光の先にある感動産業、メッセージ産業を創出していきたいと考えております。

経産省第1回ものづくり大賞佐喜眞義肢のCBブレース体験
家族一緒でのマングローブカヤック体験は夢の世界
杖なしで孫と歩ける喜び!おもわず走り出してしまった
また必ず家族全員でここに来よう!次の目標ができた旅の力
沖縄県 金武町ギンバル米軍基地訓練場跡地利用計画(金武町役場)