『コミュニティヘルス・ツーリズム』の実践応用が水戸でスタート

 茨城県水戸市および周辺市町村の広域で在宅医療、緩和ケアを中心に在宅療養支援診療所を展開している「医療法人社団いばらき会」(照沼秀也理事長)より、この度、多額の寄附金を当研究センターにご提供いただきました。琉球大はこの寄附金を基金化し、当ヘルス・ツーリズム研究プラットホームが進めるコミュニティヘルス・ツーリズムの実践と本土いばらき地域での応用展開、その研究発信や教材開発などに最大限活かしていく計画です。

「コミュニティヘルス・ツーリズム」とは、新しい地域保健と地域活性へのアプローチであり、これまでにない新しい観光形態であり、次代のヘルスプロモーションのひとつとして琉球大学ヘルス・ツーリズム研究プラットホームが全国・世界に先駆けて提唱する新しい健康と観光の融合の形でもあります。

長寿地域として知られた沖縄でも、近年はコミュニティの崩壊がみられ、その再認識の必要性が論じられる機会が多くなってきました。そうした中、2000年代後半より沖縄県北中城村でコミュニティ”と“元気”をキーワードとした健康調査、交流実践をおこなってきたコミュニティカフェ『チームグクル』(沖縄の方言で肝心(ちむぐくる)=沖縄の心をもじった洒落)=を活動拠点に、次世代のコミュニティのあり方、交流ツーリズムのもたらす影響を研究分析しつつ、持続可能とする仕組みづくりとの両立を図るための実践研究に着手しております。沖縄県北中城村は女性平均寿命89.0歳で、連続日本一の村として知られ、字(あざ)単位の公民館活動を中心とした地域社会活動が盛んな地でもあります。

今年度平成26年度は、大学の研究成果を社会に還元する「琉球大学公開講座」にコミュニティヘルス・ツーリズムの概念や実践の様子を紹介し受講者と議論を交える場を提供することになりました。この公開講座はさらに、琉球大学が文部科学省「地(知)の拠点整備事業」として採択され整備を進めている沖縄離島サテライト会場(宮古島、石垣島)にも同時配信することが決定しました。ICTを駆使した同時性で理解普及を図り、コミュニティヘルスの新しい展開が広がることが期待されます。

 タイトル『コミュニティヘルス・ツーリズム講座 ~次代のヘルスプロモーションが今ここから~』