ウェルネスフードジャパンで沖縄スーパーフード講演

日本最大のスポーツ・健康産業の総合展『SPORTEC』、介護関連産業の専門展『リハビリ・介護産業展』との同時開催、『ウェルネスフードジャパン』(主催:ウェルネスフードジャパン実行委員会)が東京ビッグサイトにて開催され、当ウェルネス研究分野の荒川雅志教授が講演者およびモデレーターとして参加しました。

スーパーフードとは

食と健康への関心の高まりの中で、健康美容等に対して有効成分を突出して多く含む食品に対して「スーパーフード」という言葉が近年使われはじめ、世界的ブームになりつつあります。提唱者や団体が複数あり定義には幅がありますが、栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であるものを推奨し新たな価値を付与していく動きです。

沖縄のスーパーフード

スーパーフードの宝庫といえる「沖縄」では、古くから「ヌチグスイ(命薬)」という食の思想が伝承されています。沖縄の地産食材の有効性に関する研究、科学的な評価分析はまだ十分でないものの、ようやく本格化の動きがみえ始めました。琉球大学に拠点を置く沖縄スーパーフード協会(株式会社沖縄TLO内)では、機能性成分と安全性に関するデータを持つ加工食品を推奨する制度をスタートさせています。

沖縄スーパ―フード協会では沖縄スーパーフードの定義

沖縄県産の農水産物等を原料とするか、
または県外原料の場合は、沖縄独自の伝統的な製法により本質的な変化がなされていること

②沖縄県内で付加価値を持たせるための加工が施されていること。

③協会が定めた安全基準を満たしていること。

④健康維持に役立つことが期待できる成分を含むことが客観的なエビデンスで示されていること。

⑤食事として摂取されることが提案できること。

という、①~⑤の要件を全て満たした食品の総称と定義しています。
沖縄スーパ―フードの代表的な素材には「シークヮーサー」「琉球もろみ酢」「オキナワモズク」「秋ウコン」「春ウコン」「ゴーヤー」「青パパイヤ」「クワンソウ」「さとうきび」「島桑」「アロエベラ」「アセローラ」などがあります。

セミナー『ヌチグスイ(命薬)」を召し上がれ~沖縄スーパーフードの科学的アプローチ~』

沖縄県健康食品ブランド化推進基盤構築事業(沖縄県商工労働部)の一環として、今回のウェルネスフードジャパンをはじめ、9月に開催される健康美容系展示会「ダイエット&ビューティフェア」、2017年3月の日本最大の健康展示会「健康博覧会」にセミナー出展します。
今回のセミナーでは、沖縄スーパーフード協会の紹介を料理研究家で沖縄スーパーフード協会理事長の西大八重子氏より行いました。続いて、代表的な沖縄スーパーフードである発酵サトウキビファイバーのヒト安全性及び有効性の調査結果を(株)沖縄ウコン堂執行役員研究開発部長の稲福直氏が解説しました。続いて琉球もろみ酢のアスリートにおける筋肉増強及び抗疲労効果の検証結果をヘリオス酒造(株)営業本部取締役本部長の松田あすか氏が解説しました。

荒川雅志教授からは「沖縄スーパーフードを通して次代の価値提案をアジア世界へ~食と観光の融合・沖縄ウェルネスツーリズム~」と題し、沖縄の食が安全を基盤に機能的価値と情緒的価値を伴う高付加価値型のアウトバウンド商品になること、機能性からアスリートにも本物志向に応える地産食材の体験を目的とする沖縄フードツーリズムのインバウンド活性に繋がる期待を講演しました。
世界的に先進諸国を中心に市場の変革~健康と環境に配慮した持続可能な消費活動を実践する新しい価値観の人口層~が増えているなか、スーパーフードの機能的価値と理念は自然と受け入れられやすいものです。「スローフード」「スーパーフード」を通して沖縄の食が次のステージに入り、沖縄ブランドを確立していく動きに琉球大学ウェルネス研究プラットホームは支援連携を果たしてまいります。

【講師】
沖縄スーパーフード協会理事長、沖縄料理研究家
西大 八重子 氏
ヘリオス酒造(株)営業本部 取締役本部長
松田 あすか 氏
(株)沖縄ウコン堂執行役員研究開発部長、沖縄スーパーフード協会理事
稲福 直 氏
琉球大学観光産業科学部教授、 ウェルネス研究分野代表、医学博士
荒川 雅志 氏