ヘルスツーリズムとは何か~月刊クリンネスに掲載

一般社団法人環境文化創造研究所から毎月2万部刊行の「クリンネス」10月号巻頭に『ヘルスツーリズムとは何か』と題し当ウェルネス研究分野・荒川雅志教授の特集記事が掲載されました。

ヘルスツーリズムとは、日本語で「健康旅行」と訳されます。ニューツーリズムのひとつとして観光分野から現代に再登場を果たした古くも新しい観光形態が今、日本国家戦略、次世代ヘルスケアとしての期待、さらには人口減少社会における地方創生の新しい切り口としても期待が寄せられています。

本著では海外のヘルスツーリズム事例を交えながら、四季折々の温泉、海洋、伝統文化、気づきの旅、心身のリセット旅、人々の人生に組み込まれる旅という観光の新しい価値提案をしています。

我が国は、温泉、海、森林に代表される四季折々の自然に育まれ、ユネスコ無形文化遺産にも登録された和食文化に支えられ世界一の長寿を達成した統計的事実もまた大きな強みです。地域にはこの健康長寿をならしめた資源が溢れています。地域固有の資源を健康資源として再構成し、来訪者、世界中の人々をもてなす観光が、日本からこそ発信すべき次代の観光であり次代の価値提案です。

・物質的豊かさから心の豊かさ、人生の豊かさに価値がシフトし、健康は人生を豊かにする「資本」であることに気づくきっかけを一番のおみやげとしていただく旅。

・定期的な保養地への健康旅行で心と体のバランス調整を図り、豊かで創造的な人生のアクセントとなる旅。

・人々のライフスタイル、人生に組み込まれ、またそこに必ず帰ってくる旅。

このような日本発のヘルスツーリズムを通して、次代の価値提案ができる存在に私たちそれぞれの地域が、日本全体がなりたいものです。

荒川雅志. ヘルスツーリズムとは何か. 環境文化の創造「クリンネス」第371号、p2-7 2016