沖縄型リゾートダイビング戦略モデル構築事業

観光立県である沖縄県では約66万人がダイビング目的で来県すると推計されています(H22年度沖縄観光統計実態調査)。国内においては高いレベルで沖縄ダイビングの魅力や認知度が定着していると考えられますが、一方で外国人は僅か5%、数にして33,000人程度が来県しているに過ぎません。

近年ダイビングを取り巻く課題に①Cカード取得者の減少、②国内ダイバーの高齢化、③低価格競争の激化などが挙げられ、海外市場に目を向けることが求められてきています。

沖縄県では過去3年に渡り「美ら海構築促進事業」(県観光振興課)による主に安全対策、安全基準の策定に最重点を置いた事業を展開してきました。現在、県内にはおよそ500近いダイビングショップがあるといわれますが、利益最優先の結果、指導基準を逸脱し定められた講習を短縮しコスト削減を図る事業者、過大広告など玉石混淆入り乱れています。残念ながら、そうした不当競争に長けた事業者が生き残りやすい構図も現出しはじめています。こうした課題に対し、「顧客の安全確保に誠実に取り組む優良事業者が報いられる制度づくり」をNPO沖縄県ダイビング安全対策協議会、そして県事業の成果として設立した沖縄県リゾートダイビング事業連合会(FORD1)が行政と一体となって現在進めています。ヘルスツーリズム研究分野ではこれら団体と学の立場から連携し、安全・安心価値、そしていずれは健康がサービス付加価値になる市場環境づくりを共同研究しています。

平成24年度、沖縄県では「沖縄型リゾートダイビング戦略モデル構築事業」(3ヵ年の計画。FORD1、日本交通公社、NPO県ダイビング安全対策協議会のコンソーシアム)に着手することになりました。○安全管理の技術、語学、ホスピタリティ要素を含むダイビングガイド人材育成制度の構築、○外国人ダイバーの受入体制構築に向けての調査研究、○ダイビングを活用した新たなビジネスモデルの検討として主にITを駆使したチャネル開拓および海外プロモーションを促進する事業を計画しています。当研究プラットホームから荒川教授が事業検討委員会の委員長に選任され、本事業の目的達成に向けた助言や必要事項の検討に携わっていきます。

沖縄県観光ブランド形成事業(沖縄型リゾートダイビング戦略構築事業)検討委員会 ○委員長

琉球大学大学院観光科学研究科教授荒川雅志○
財団法人沖縄観光コンベンションビューロー海外事業部課長玉城 扇
株式会社JTBグローバルマーケティング&トラベル取締役小泉 靖
株式会社 国建 地域開発部部長西村秀三
久米島ダイビング安全対策協力会理事久米浩三
NPO美ら海振興会会長松井 諭
八重山ダイビング協会会長園田 真
沖縄県文化観光スポーツ部 観光振興課課長神谷順治