日本レジャーレクリエーション学会第46回全国大会で発表~災害時要援護者における避難体制の課題とあり方に関する一考察

第46回日本レジャーレクリエーション学会全国大会が平成28年11月25日~27日、早稲田大学所沢キャンパスにて開催されました。当研究プラットホームから大学院観光科学研究科院生・豊見山佐妃氏が『災害時要援護者における避難体制の課題とあり方に関する一考察~ホテル火災避難訓練をもとにした検討~』と題して発表を行いました。

本発表は、研究奨励賞,ポスター発表部門において会長賞を受賞しました。

■学会要旨
日本は、急速な超高齢化社会および障害者の人口割合も年々増加傾向にある。観光レジャーの先進地沖縄県は全国で始めて「観光バリアフリー宣言」を施行し、誰もが楽しめる、やさしい観光地づくりに力を入れてきた。本研究は、観光レジャーにおける避難体制の観点からバリアフリー化を推進する取り組みとして一施設(ホテル)を対象に、これまで作成した「逃げるバリアフリーマニュアル」に基づく実証実験を行い、参加者へのヒアリング、アンケート調査を実施した。
実証実験は火災を想定し、災害時要援護者(高齢者、肢体不自由者、視覚障害者、聴覚障害者)と避難誘導を指揮するホテル従業員で行い、それぞれで異なる避難誘導の実施や避難機器(機能)の使用から、どのような避難体制の確立が必要であるかを探った。ヒアリングやアンケート調査の結果、災害時要援護者それぞれで正しい知識を習得しておくことが基本とされ、情報伝達や声かけが重要であることが明らかになった。計12個の避難機器等を使用したが、おんぶ隊プラスを除く全てが平均してプラスの評価を示しており、このような機器等を各事業所が保有し使用方法の反復を行うこと、そして定期的な避難訓練の実施が観光レジャーシーンにおける緊急時・災害時の要になることが読み取れた。

■キーワード:災害時要援護者 避難体制 火災 ホテル
■発表者(共同連名)
豊見山 佐妃、荒川 雅志〔琉球大学大学院観光科学研究科〕
親川 修〔NPO法人バリアフリーネットワーク会議〕
研究奨励賞ポスター発表部門「会長賞」受賞