なぜ海は体にいいのか?~総合物流情報誌KAIUN『海運』に掲載~

ヒポクラテス海の治療の場

1924年創刊の伝統ある日本唯一の海事総合物流誌KAIUN『海運』の7月号特別企画・海の日記念号に、当プラットホーム荒川雅志教授の寄稿論文が掲載されました。「海の恩恵を考える」~体に効く海・遊ぶ海~というテーマ特集が設けられ、国土交通省総合政策局海洋政策課専門官の藤原弘道氏からは、近年注目される海洋観光についての解説がなされました。続いて荒川教授からは、海の健康観光資源としての利活用を提案する海洋療法(タラソテラピー)の研究開発の最新を紹介しました。

古来より海は人体に好影響を及ぼすことは経験知として伝承されてきており、医学の祖・ヒポクラテスは海水を治療に用いていた記録が実際に残されています。近代では海水浴などレジャーレクリエーションの場が中心となっていますが、現代人の多くが不調を来している今こそ、人類の歴史に基づく海の健康恩恵の可能性にもっと目を向けていいのではと考えられます。

西洋以外の医学、相補代替療法や自然療法の一部に分類される海洋療法ですが、当プラットホームでは西洋医科学のエビデンス検証を海洋療法施設、地域健康増進策に向けた行政との共同で進めている唯一の産官学連携機関です。観光立県沖縄の次代の付加価値型観光 ”海洋ウェルネスツーリズム”を提唱し、その研究と実践が進められています。

◆海洋療法の分類の解説(直接利用:水治療(ハイドロセラピー)、海水運動、海水温浴、海藻療法、海泥療法など。間接利用:海洋性気候地形療法、海洋性転地療法、海洋性生物(ドルフィンセラピー)など。
◆なぜ「海」は体や心の健康によい影響を及ぼすのか(生命体内回帰、揺らぎ、リズム、成分)
◆海洋療法研究開発の事例(アジア最大級海洋療法施設、海水WATSU、海浜ノルディックウォーキング)
◆海洋療法の観光への応用(ヘルスツーリズム、海洋ウェルネスツーリズム、次世代ヘルスケア)

荒川雅志.”なぜ海は体にいいのか?”~海洋療法と観光の融合をどう図る~, KAIUN 海運 総合物流情報誌(1054), pp77-80, 2015

海藻療法(アルゴテラピー) ©ザ・テラスホテルズ提供
アジア最大級海洋療法温浴施設 ©かりゆしカンナタラソラグーナ提供
海水WATSU(ワッツ) ©沖縄WATSUセンター提供
海岸地形療法、ビーチノルディックウォーク、サンドウォーク(琉球大学研究開発)