国際学会で日本のヘルスツーリズム最新動向の研究発表

Travel and Tourism Research Association(TTRA)は1970年創立の世界における観光学の最高権威学会といわれています。アジア環太平洋エリアの地域学会が昨年メルボルンから今年は日本で12月5-7日、明治大学キャンパスにて開催されました。日本人の研究者の発表は数少ないなか、当プラットホームメンバーの荒川雅志教授、高橋伸佳講師、パデュー大学Erwei Dong氏で日本のヘルスツーリズムの動きを研究発表しました。

Masashi ARAKAWA, Erwei DONG, Nobuyoshi TAKAHASHI. Health Tourism in Japan, 3rd Annual Conference Proceedings Asia Pacific Chapter, Travel and Tourism Research Association(TTRA), 100-101 2015

世界でトップクラスの温泉大国である日本は、古代から温泉を健康に利用していた歴史があり、この湯治文化が日本のヘルスツーリズムの原点といえます。一方で近年、観光立国推進のもとにヘルスツーリズムは“ニューツーリズム”としての再登場を果たしました。さらに2014年の日本再興戦略のなかではヘルスツーリズムは“次世代ヘルスケア産業”としての期待も高まっています。

国土交通省(観光庁)、経済産業省、厚生労働省など関係省庁、政府の動向をふまえたヘルスツーリズムの体系化をはかる研究はこれまで存在せず、本研究では、従来あるヘルスツーリズム定義の一方で、サプライヤー(供給者、事業者)の観点から容易な理解と市場参入を促すための新たな定義を提唱しました(荒川,Dong,高橋, 2015)。

予防産業、ヘルスケア、ロハス、ウェルネス市場という巨大なマーケットが形成されるなかに日本型ヘルスツーリズムをしっかり位置づけるためには、明確でシンプルな定義が必要と考えられ、またそこに健康商品として特殊性、医療の関与度での整理が重要であることを初めて提起しました。

Travel and Tourism Research Association(TTRA)
https://www.ttra.com/