■ウェルネス産業市場規模
新型コロナ感染拡大を受けてウェルネス産業市場にも動きが見られ、シンクタンクである非営利組織のグローバルウェルネスインスティテュート(Global wellness Institute:国際ウェルネス機構、以降GWI)では、最新のウェルネス経済を発表しています。琉球大学ウェルネス研究分野の訳出によりその最新を日本に紹介します。

GWIによると、2013年から2017年にかけてウェルネス経済は年5.8%ずつ成長し、世界経済全体が年1.2%成長してきたのに比べ約5倍の成長率を記録してきました。2017年にはウェルネス経済の市場規模は4.3兆ドル(≒473兆円)と推計され、2019年には4.9兆ドル(≒539兆円)と、年率6.6%の成長を遂げてきました。一方、2020年は新型コロナの世界的感染拡大によってその成長は大きく停滞を余儀なくされ、11.0%減の4.4兆ドル(≒484兆円)となっています。
短期的影響として新型コロナ感染拡大で甚大な被害を受けたウェルネス産業でしたが、中長期的な視点ではウェルネスの価値が改めて見直され、世界的な消費活動を加速させる傾向をみせています。

ウェルネス経済とは、消費者がウェルネス活動やウェルネス・ライフスタイルを日常生活に取り入れることを可能にする産業と定義され、11の多様な分野を網羅しています(下図)。市場規模の大きさからみると、パーソナルケア・美容・アンチエイジング産業9,552億ドル(≒105兆円)、健康的食事・栄養・ダイエット産業9,455億ドル(≒104兆円)、フィットネス産業7,381億ドル(≒81兆円)、ウェルネスツーリズム産業4,357億ドル(≒48兆円)、補完代替医療産業4,127億ドル(≒45兆円)、公衆衛生・予防・パーソナライズ医療3,754億ドル(≒41兆円)、ウェルネス不動産産業2,751億ドル(≒30兆円)、メンタルウェルネス産業1,312億ドル(≒14兆円)、スパ産業680億ドル(≒7.5兆円)、職場のウェルネス産業485億ドル(≒5.3兆円)、温泉・鉱泉産業391億ドル(≒4.3兆円)となっています。
今後の成長予測としてウェルネス産業全体が有望産業ですが、特にウェルネスツーリズム産業、メンタルウェルネス産業、ウェルネス不動産産業の顕著な成長が予測されています。
Global Wellness Institute, The Global Wellness Economy: Looking Beyond COVID, December 2021.
荒川雅志, NPO日本スパ振興協会編著. ウェルネスツーリズム~サードプレイスへの旅~, フレグランスジャーナル社, 2017
荒川雅志. 成長するウェルネス産業市場. 商工金融 70(5) 54-57, 2020
荒川雅志. ウェルネスの本質 TRAVEL JOURNAL 58(35) 10-11, 2021
を典拠に2022年改訂。
*1ドル110円で換算。